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コショウ科 Piperaceae

世界の熱帯を中心に8〜12属1400〜3000種が知られる。つる性あるいは草本状の低木。葉は互生、全縁。花は退化的で花被がなく、穂状(すいじょう)または総状花序(そうじょうかじょ)をつくる。多くは芳香性の精油やアルカロイドを含み、香辛料や薬に広く利用される。

 Peperomia サダソウ(ペペロミア)属
 常緑多年草または1年草。熱帯から亜熱帯を中心に約1000種が知られる。このうち、熱帯アメリカ原産の多年草は、「ペペロミア」の名で観葉植物として親しまれている。

ペペロミア・トリスタネンシス Peperomia tristanensis ペペロミア・トリスタネンシス
Peperomia tristanensis
1972年 トリスタン・ダ・クーニャ


 Piper コショウ属
 多くは低木または小高木。植物体に芳香精油成分やアルカロイドを含み、多くの種が香辛料や薬用に利用される。花に目立った特徴がなく、サダソウ属 Peperomia とともに分類の難しい属とされる。

コショウ Piper nigrum
2002年 フィジー
コショウ
Piper nigrum
英名:Pepper, Black Pepper
中国名:胡椒
 インド南西部原産と考えられる常緑つる性植物。茎は木本化し、節の部分から気根を出して他の植物にからみつく。夏に白色の芳香のある小花をつける。果実は直径3〜6mmで房状。
 もっとも古くから栽培されてきたスパイスのひとつ。紀元前5世紀ごろには、インドからアラビア経由でギリシャにもたらされた。古代ローマ時代のヨーロッパでは、もっとも貴重な香辛料とされ、コショウの粒は同量の銀と同価であったという。また15世紀からの大航海時代には、ヨーロッパ列強の東方進出の原動力ともなった植物。シナモン、チョウジとともに三大スパイスのひとつ(ナツメグを入れ、四大スパイスとも)。
 日本では756(天平勝宝8)年の『種々薬帳』(『東大寺献物帳』)に名前がみられる。初めは薬種とされたが、『古事談』(1212〜15)によれば、後三条天皇がサバの頭にコショウをつけて焼いて食べたとある。
 香辛料としての利用のほか、健胃、風邪薬など、薬用としても用いられる。
 繁殖は挿し木または実生(みしょう)による。
 英名のpepper の語源は、サンスクリット語でインドナガコショウを意味する「ピパリ pippali 」で、コショウはサンスクリット語では「マリチャ maricha 」とよぶ。ヨーロッパに伝わったときに名前が入れ替わったらしい。

【黒コショウと白コショウ】
 未熟な青い果実を果皮つきのまま干して乾燥させたものが黒コショウ。一方、完熟果を流水に漬けたあとに、果皮と果肉を除いて乾燥させたものが白コショウ。黒コショウの方が香味が強く、白コショウはまろやか。

■参考写真:コショウの葉(京都府立植物園 2006年10月15日)



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