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ヒルギ科 Rhizophoraceae

 常緑の低木または高木。主に旧世界の熱帯を中心に15属約135種が分布。マングローブ(※)を構成する代表的な植物群であるが、ヒルギ科の大部分(8割以上)は普通の土壌に生育する内陸生のものであるという。支柱根や呼吸根を出すものなどがあり、これがマングローブのヒルギ科植物の大きな形態的特徴となっている。
 材は緻密で、建材や鉄道の枕木、薪炭材として利用されてきた。また樹皮はタンニンを含み、紅樹皮(こうじゅひ)とよばれて染料に利用された。
 ヒルギは「漂木」に由来し、親木から落ちた種子が、海を漂って分布をひろげることから名づけられたという。科名はギリシャ語の「rhiza(根)」と「phoreo(有する)に由来し、胎生種子が樹上で発芽して胚軸を出すことによる。

(※) マングローブとは熱帯・亜熱帯地域の入江や河口などの潮間帯(満潮時に海中に没し、干潮時に陸地になる地域)に生育する、ヒルギ科植物を主とする耐塩性の木本植物の総称。紅樹林とよばれることもある。
 マングローブ林は水産資源の宝庫でもあり、周辺に豊かな自然の恵みをもたらすが、近年日本向けのエビの養殖場建設や、パルプ用チップの生産のために伐採が進み、深刻な環境問題となっている。また再生の試みもあちこちでされているようである。

 Bruguiera オヒルギ(アカバナヒルギ)属
 常緑高木。アフリカ東岸からマレーシア地域、太平洋諸島にかけて6種が分布。マングローブのやや内陸部に生育する。ヒルギ科植物の中ではもっとも大きい。鳥媒花のものと虫媒花のものがある。屈曲したループ状の気根を地上に出す。

オヒルギ Bruguiera gymnorrhiza オヒルギ(雄漂木)
Bruguiera gymnorrhiza
別名:アカバナヒルギ、ベニガクヒルギ
マレー名:Tuma、Bakau Besar
 奄美諸島以南に分布。オヒルギ属の中ではこの種がもっとも大きくなり、樹高40mに達するものもある。切手に描かれているように、赤い萼筒がよく目立ち、アカバナヒルギ、ベニガクヒルギの別名をもつ。花は淡黄白色で萼片より短く、あまり目立たない。種子は果実の中で発芽(胎生種子)し、長さ15〜20cmの棍棒状の長い胚軸をのばす。
1991年 クリスマス島



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